【登録医業経営コンサルタント　鈴木聡】

　薬剤師がざわつき始めた。2016年度の診療報酬改定で「かかりつけ薬剤師」制度がスタートしたことで認定薬剤師や専門薬剤師といった資格取得の動きが広がりそうだ。

　かかりつけ薬剤師の施設要件と算定要件がクリアできれば、かかりつけ薬剤師指導料として1回の交付につき70点が加算できる。調剤基本料や「健康サポート薬局」の要件にも影響するので、薬局経営者からもはっぱがかかる。さらにこの4月には電子処方箋も解禁され、薬局は本格的なICT時代を迎える。パソコンを使いこなせない薬剤師も意外と多く、患者・多職種とのコミュニケーション能力向上が叫ばれる中、薬剤師は今後、業務外にも自己啓発の時間を増やしていかなければならない。ただし、16年度の調剤報酬改定を見ると、調剤事業の利益はさらに漸減していく方向にあるだろう。
　日本はこの先さらなる超高齢化社会に突入していく。18年度には診療と介護報酬の同時改定が控えており、医療と介護における機能分化は進むだろう。薬局を取り巻く環境は大きく変わってきている。このような流れに取り残されないために、薬局・薬剤師はどうすべきか。そのヒントは米国や英国の薬局経営に見ることができる。

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