2016年度の診療報酬改定についての官報告示が行われ、具体的な点数が示されたが、今回の改定は、病床の再編にどのような影響を及ぼすのか―。国際医療福祉大大学院の武藤正樹教授は、今回改定による7対1の絞り込みよりも、今後の病床稼働率の低下の方が病院経営に大きな影響を与えると言う。そして、今後の病床再編を考える上でも、4つの病床機能区分にふさわしい入院基本料の在り方を早い段階で議論しておくことが望ましいと話す。【大戸豊】
「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の基準が変更され、7対1入院基本料の患者割合も25%に引き上げられる。
ただ武藤教授は、今回の改定では、大部分の病院ではそれほど7対1からの転換は進まないと話す。それよりも、平均在院日数の短縮などで進んでいる病床稼働率の低下の方が、影響は大きいと予想する。
高齢化で入院が増えるといっても、それは7対1の病棟で診る患者が増加することを意味せず、今回の看護必要度の要件引き上げは「7対1は誤嚥性肺炎や大腿骨頚部骨折、あるいは認知症を合併する患者を診る場所ではない」というメッセージを含んでいるという。
武藤教授は、一部の病院では、今回の改定によって少し背中を押されるだけで、7対1からの撤退が一気に進むかもしれないと話す。
(残り1408字 / 全1985字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】
【関連キーワード】