2016年度診療報酬改定では、リハビリテーションのアウトカムを回復期リハ病棟の評価に反映させる仕組みが導入されるほか、疾患別リハの「初期加算」などの算定対象が限定され、早期からのリハが推進される。また、いわゆる維持期リハの介護保険への移行は2年間延期されるが、ケースによっては点数が通常の半分以下になる。【佐藤貴彦】
リハのアウトカムが一定の水準に満たない場合に、一日6単位を超える「疾患別リハビリテーション料」が「回復期リハビリテーション病棟入院料」の包括範囲になるペナルティーが導入される。
具体的には、▽過去6カ月間に同入院料を算定する患者に提供した疾患別リハの一日平均単位数▽同期間に回復期リハ病棟から退棟した患者に提供したリハのアウトカム(算出に用いる式は 表①=クリックで拡大= )-を3カ月ごとに評価。結果が「6単位以上」かつ「27点未満」だと「実績が一定の水準に達しない」と見なされ、それが2回続くとペナルティーが科される。なお、同期間に同入院料を算定した患者数が10人未満なら、「実績が一定の水準に達しない」と見なされることはない。
最初の評価は、12月まで6カ月分のデータに基づき、来年1月に実施する。その後、4月に2回目の評価を行い、どちらも一定の水準に達しない場合は同月からペナルティーが適用される =図、クリックで拡大= 。
ペナルティーの対象になっても、「脳血管疾患等の患者のうちで発症後60日以内のもの」は、例外的に一日9単位まで算定できる。入院料に包括される疾患別リハの単位数は、「リハビリテーション充実加算」などの算定に必要な単位としてカウントすることができない。
また、同入院料1の「体制強化加算2」(120点)が新設される。病棟への常勤医師2人以上の専従配置などが要件だが、一定の条件を満たせば、医師が別の業務に従事できる。ただ、ほかの施設基準の専従医師との兼任は認められない =表②、クリックで拡大= 。
スピード解説!報酬改定【急性期】
スピード解説!報酬改定【地域包括・療養】
スピード解説!報酬改定【外来・退院支援】
スピード解説!報酬改定【在宅】
スピード解説!報酬改定【DPC】
スピード解説!報酬改定【精神・認知症】
スピード解説!報酬改定【勤務環境】
(残り2061字 / 全3019字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】