【メディカルトピア草加病院事務長 久保田巧】
私はこれまで、医師の採用に力を入れてきましたが、医師が仕事をしやすいように、院内で協力を呼び掛け、環境づくりを進めてきました。
医師の採用には、まずは、医師の転職の理由を把握することが大切です。医師の転職におけるアンケート統計によると、「年収が高くなるから」という理由が上位になる傾向がありますが、当院は、内部の規定もあって限界があります。次に多くを占めるのが「働く環境に不満があるから」です。当院では、ここにターゲットを絞り、いかに働きやすいかを具体的にアピールするようにしています。この部分を丁寧に具体的に説明すると、同時に面接を受けた他院で提示された高額な年俸をけって、「それでは、1、2年の実績を見て評価してください」などと、入職を決めてくれることも多いのです。
医師も実際に現場で支援を受けると、「ここまで濃厚に支援してくれる病院は経験したことがない」と言ってくれます。そして何より、退職する医師の少なさが、サポートの効果として表れています(退職者は3年間で2人)。
連載では、医師事務作業補助者を中心とした具体的なサポートを紹介します。
■「メディカルパートナーズ」が医師の期待上回る支援
「医師はたくさん給与をもらっている。身の回りのことは自分でしてほしい」。事務職の中には、こう言う人もいます。しかし、本当にそれでいいのでしょうか。
一般的に病院の収入の9割程度は診療報酬が占めます。点数表を見るまでもなく、病院収入の多くは医師の診療を通じて入っています。言い換えれば、医師の業務量が低下したり、退職したりすれば、病院の収入が大きく減るのです。
私は、「あの先生は充実して仕事をしているか」「一般内科ばかり診ているけど、専門性が発揮できずに不満ではないか」「最近イライラしているけど、辞めないだろうか」といったことを毎日のように考えています。
次回配信は2月22日5:00を予定しています
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