中央社会保険医療協議会(中医協)は次回以降の総会で、患者申出療養の具体的な運用に関する議論をスタートさせる。10日に開催された総会で厚生労働省保険局の宮嵜雅則医療課長が、患者申出療養の創設を含んだ医療保険制度改革関連法が先月公布されたと報告。「(来年4月の施行に向け)詳細について設計していかないといけない」と述べ、委員に議論を促した。【佐藤貴彦】
医療費の大きな伸び、国に対策講じる義務(2015/02/20)
全国一律の外来機能分化は限界(2015/02/16)
患者申出療養は、国内未承認の医薬品などを保険外併用療養として使用したいという患者の申し出を起点に、国などが迅速に審査する仕組み。通常、未承認の医薬品などの使用を伴う医療技術を「先進医療」として実施するのに、医療機関の申請からおおむね6-7か月を要するが、患者申出療養の実施の可否は申請から原則6週間で判断される。先進医療として実施されている技術について、合併症を有するといった理由で先進医療として受けることができない患者が、この仕組みで申し出ることもできる。
こうした制度の枠組みは、医療保険制度改革関連法が成立する前に中医協で議論され、社会保障審議会医療保険部会の了承を得ている。ただ、インフォームド・コンセントの方法や、有害事象が起きた際の対応など、具体的な運用は決まっておらず、施行までに中医協で議論することになっていた。
同日の総会では、中医協での議論の開始時期を委員が質問した。これに対し同省保険局医療課の佐々木健企画官は、来年4月に施行されるため、できる限り早く検討を始める必要があると指摘。「次回は間に合うかどうか(分からない状況)だが、順次相談したい」と述べた。
(残り0字 / 全733字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】