【松本市立病院副院長 中村雅彦】
■医師事務作業補助者の呼称は混同されないように
医師事務作業補助者(以下、補助者)を院内でどのように呼ぶべきなのか、厚生労働省は呼称については特に規定していません。ただし、他の職種と混同されないようにしなければなりません。使用例として、次のようなものが考えられます。
メディカルアシスタント、診療アシスタント、
メディカルクラーク(登録商標)、ドクターズクラーク(登録商標)、医療事務、事務補助、医療秘書、医療クラーク 「メディカルアシスタント」や「診療アシスタント」と呼んでいる病院もありますが、欧米では事務作業補助とともに、診察の介助を行う看護助手を指します。
「メディカルクラーク」と「ドクターズクラーク」は登録商標されていて、日本医療教育財団が行う試験に合格すると与えられます。医療事務技能審査試験に受かると「メディカルクラーク」、医師事務作業補助技能認定試験に受かると「ドクターズクラーク」を名乗れます。
補助者は、看護助手業務やレセプト請求業務はできないため、看護助手や医事課の業務と混同されないように区別する必要があります。
厚生労働省は、補助者の呼称を当初はメディカルクラークにしようと考えていましたが、既に商標が登録されていたため、現在は医療クラークを用いています。ちなみに当院では医療秘書と呼んでいます。
■導入事例
当院は届出一般病床215床で、医師事務作業補助体制加算の施設基準の25対1を申請し、10人の補助者がいます。標榜診療科は産婦人科、小児科を含む26診療科で、常勤医30人です。補助者の所属は診療部で、副院長のわたしが統括責任者を務めています。
医療秘書室で各種医療書類の作成、統計、資料作成業務を行うほか、外来診察室で医師に同席し、電子カルテの代行入力を行っています。業務を進める上で、医師のニーズに個別に対応することを基本にしています。
規模の大きな医療機関では、補助者を「診察予約センター」や「予診・問診センター」などに集約する例もみられます。
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