2014年度の診療報酬改定でDPC対象病院の「暫定調整係数」の一部分を「機能評価係数Ⅱ」に置き換える措置をめぐり、中央社会保険医療協議会(中医協)は29日の総会で、これによって病院経営に大きな影響が及ぶのを防ぐために対応することを決めた。厚生労働省が激変緩和策を提案、了承された。それによると、出来高分を含む診療報酬が移行後に2%を超えて変動しないよう、DPC対象病院の包括部分の診療報酬を決める「医療機関別係数」を調整する。全部で100病院前後が対象になる見通し。【兼松昭夫】
機能評価係数Ⅱは、地域医療への貢献や救急医療の受け入れなどの実績を評価するもの。調整係数をこれに置き換えるのは、DPC対象病院の収入をいわば無条件に担保するのではなく、実績によって評価できるようにするためだ。
ただ、例えばもともと調整係数が高く設定されていたのに、機能評価係数Ⅱの評価をあまり受けられていない病院では、置き換えによる影響が大きくなる。厚労省は前回の置き換えでも、診療報酬の変動幅を2%以内に抑えるため42病院を対象に激変緩和策を取った。
調整係数の取り扱いをめぐっては、置き換えが完了する18年度まではDPC対象病院ごとに暫定調整係数を設定。各病院の包括部分の診療報酬は、暫定調整係数や機能評価係数Ⅱなどを積み上げた医療機関別係数によって決まる。
■長野県の佐久総合病院、分割後もDPC参加へ
厚労省はこの日、長野県厚生農業協同組合連合会が運営する「佐久総合病院」(佐久市)が、「佐久総合病院佐久医療センター」(同)と3月1日付で分割されるのに伴い、分割後の2病院が引き続きDPC制度に参加することになったと、中医協総会に報告した。
DPC対象病院が分割や合併後もDPC制度に参加することを希望する場合、病院からの事前報告を受けて、中医協が審査して取り扱いを決める。DPC算定病床の稼働率を示す「データ/病床比」が「直近1年間で月0.875以上」などの基準クリアが継続参加の条件。
佐久総合病院の分割後の取り扱いは、中医協総会の委任を受けた「DPC退出等審査会」が今月15日に審査し、2病院の参加継続を認めていた。
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