厚生労働省保険局の宇都宮啓医療課長は、一般病棟7対1入院基本料などに適用している重症患者の受け入れ状況を評価する「重症度・看護必要度」について、現在の測定方法を見直す必要があるとの認識を示した。また、来年4月の消費税率引き上げが正式に決まれば、医療機関の消費税負担の増加分に対して適切に手当てできるだけの財源を確保するよう、中央社会保険医療協議会(中医協)から要請する必要があるとの考えも示した。いずれもキャリアブレインの取材に答えた。
この数値には、現在は重症度・看護必要度の基準に該当する患者割合の1か月ごとの平均値を使っているが、この仕組みだと患者が回復するほど値が下がり、重症患者を受け入れていても、回復率も高い急性期病院では不利になると指摘されている。宇都宮課長は、「患者さんが回復するにつれて評価を受けにくくなるわけで、ここは(適切な評価ができるように)検討する必要がある」と語った。
一方、「消費税負担の増加分」に手当てするための財源について、中医協の「医療機関等における消費税負担に関する分科会」が8月に提示した中間整理案では、「内閣において、消費税率の引き上げが物価に与える影響などを勘案し、適切にその財源規模を決定すべき」としている。
財源の手当ての仕方は、医療経済実態調査の結果を踏まえて、「基本診療料と、調剤基本料への上乗せによる対応を中心としつつ、『個別項目』への上乗せを組み合わせる形で対応することを基本とする」とされた。宇都宮課長は「中医協としても適切な財源確保を求める必要がある」と述べた。
また、「亜急性期入院医療管理料2」と「回復期リハビリテーション病棟入院料1」が、次回の診療報酬改定で一本化される可能性があるとの認識も示した。
亜急性期病床に対する診療報酬の取り扱いは、昨年度に実施された前回の報酬改定でも焦点になり、亜急性期入院医療管理料2は最終的に、リハビリテーションを提供する病床・病室向けの診療報酬として整理された。亜急性期病床の受け入れ患者の中に、回復期のリハビリが必要な患者が含まれるためで、点数設定も回復期リハビリテーション病棟入院料1と同じ1911点になった。
一方、次回の報酬改定をめぐる中医協の議論では、亜急性期病床と回復期リハビリテーション病棟の役割分担が論点になっている。【兼松昭夫】
※インタビューの全文はこちらに掲載しました。
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