厚生労働省は30日、中央社会保険医療協議会の総会に、2012年度診療報酬改定で回復期リハビリテーション病棟入院料を現在の2段階から3段階に再編させる方針を示した。現行の入院料1(1日1720点)を、再編後は入院料2に位置付けて点数を見直す一方、「常時13対1以上」の手厚い看護配置を敷く病棟向けに入院料1を新たにつくる。また、現在の入院料2は、再編後は入院料3にスライドさせ、点数は現在の1日1600点を維持する。
ただ、重症患者の3割以上の日常生活機能(ADL)が退院時に改善している場合に算定できる「重症患者回復病棟加算」(1日50点)は廃止し、この3割以上の改善要件を入院料の要件に組み込む。
一方、新たな入院料1は、▽看護配置が常時13対1以上(看護師が7割以上、夜勤看護職員2人以上)▽看護補助者の配置が常時30対1以上▽新規入院のうち3割以上が重症者▽在宅復帰率が7割以上―などが要件で、再編後の入院料2と同じ退院時3割以上の改善要件も組み込む。さらに、専従の理学療法士3人以上や作業療法士2人以上のほか、リハビリテーション科の専任医師などの配置も求める。
厚労省の調べでは、現時点で回復期リハビリテーション病棟入院料を届け出ている施設の大半が入院料1を算定している。ただ、実際に受け入れている入院患者のADLには同じ入院料1の算定病棟でもばらつきがあり、▽重症者は在宅復帰率が低い▽看護職員や専従リハスタッフの配置が手厚いと復帰率が高い―といった傾向が明らかになっている。このため同省では、この部分の評価にめりはりを付ける方針を示していた。
厚労省の担当者は同日の総会終了後、記者団に対し、新たな入院料1について、「(在宅復帰率7割以上は)かなり高い。現行ではそんなに多くは算定できないと思う」との認識を示した。
■早期リハ加算も再編
また、疾患別リハの早期加算も再編する。現在は治療開始日(手術または発症した日)から30日目まで、1単位実施するごとに45点を算定できるが、再編後は14日以内を「早期加算1」として点数を引き上げる一方、15日以上30日以内は同加算2に位置付け引き下げる。再編後の早期加算1では、リハビリテーション科の医師が院内で勤務しているかどうかで2通りの点数を設定する。
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