中央社会保険医療協議会(中医協、会長=森田朗・東大大学院教授)は30日の総会で、がん医療に関する診療報酬の改定項目について協議した。この中で厚生労働省は、入院初期の緩和ケアの評価や在宅への円滑な移行を促進するため、緩和ケア病棟入院料(一日3780点)を入院期間に応じて3段階の報酬に再編することを提案。日本医療機能評価機構による評価など、これまでの施設基準を見直し、算定対象を拡大する方針を示した。同様に、緩和ケア診療加算の施設基準も緩和し、質の高い緩和ケアを行う医療機関の評価を図る。
この日の総会では、同機構による評価を対象外とすることを懸念する意見が出たため、厚労省が改定時に出す通知などで、同機構による評価かそれに準ずる評価を受けていることを明示することになった。
■がん拠点病院加算、“がん疑い”での紹介も算定可能に
厚労省はこれ以外にも、がん医療の改定項目に関する算定要件や施設基準の具体案を示した。
別の医療機関の医師が悪性腫瘍と診断し、紹介を受けた患者ががん診療連携拠点病院に入院した場合、同病院を評価するがん診療連携拠点病院加算(入院初日500点)については、悪性腫瘍の疑いで紹介され、同病院の医師が悪性腫瘍と診断しても算定できるよう要件を改める。
また、がん診療連携拠点病院などとの連携による医学管理を評価する「がん治療連携管理料」を新設する。別の医療機関の医師による悪性腫瘍の診断か、または悪性腫瘍の疑いで紹介され、同病院の医師が悪性腫瘍と診断した患者が入院に至らなかった場合、外来での化学療法や放射線治療の実施が算定要件となる。
さらに、入院中に連携計画を策定し、退院後の治療を行う医療機関との連携を推進するがん治療連携計画策定料(750点)については、現行の報酬を引き継ぐ同策定料1のほか、同策定料2を新たに追加し、2段階に再編する。
策定料1では、入院中だけでなく、退院後30日以内に計画を策定した場合も算定可能とし、策定料2では、策定料1を算定した患者の状態が変化し、連携医療機関からの紹介を受けて、計画策定病院が計画を変更した場合(がん治療連携指導料の算定が要件)、月1回に限り算定できる。
(残り663字 / 全1684字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】