小宮山洋子厚生労働相は23日、キャリアブレインのインタビューに応じ、社会保障と税の一体改革の大綱素案に掲げている「地域包括ケアシステムの構築」について、「高齢化している被災地で先取りする形で取り組んでいきたい」と述べた。
主なやりとりは次の通り。
―社会保障と税の一体改革の中で、医療従事者にアピールしたいのはどの部分か。
診療報酬。昨年末、財務省が「本体カットか据え置きか」と言っているところを、ネット(全体)で髪の毛一本分だが0.004%プラスにできた。2010年度の改定で、医師の少ない産科や小児科などの診療科に手厚く(財源を配分)した結果、医師数は増えているが、ここでまた引き下げたら、偏在をなくせない。改定率をめぐる年末のバトルの中で、財務省にはそう説明した。
診療報酬の中身をどうするかは、これからご議論いただくところだが、今までのように、診療科・地域間の偏在や、病院勤務医の勤務環境を正していきたい。また一体改革の一環として、在宅医療・介護のそれぞれの機能や、これまで足りなかった連携を強化したいと考えている。
―CBニュースの読者からは、医師偏在の解消法についての質問が多かったが、どのような施策を考えているか。
国としては、例えば、その地域の税金から援助を受けた医学生らが、地域に残って還元することなどが考えられる。偏在解消のために都道府県の持つ権限を強めるかどうかは、これから地方とも協議をしていかなければならないと思う。
―読者からは、医師偏在の解消には診療報酬だけでなく、子育てなどの生活面のサポートも必要ではないかという意見があった。
女性医師が多い小児科や産科は特に、ワークライフバランスがうまくいかないと、働き続けようと思ってもできない。全体的な目配りが必要だと思っている。
―医学部の新設や既存の医学部の定員増についてはどうか。
政権を取る前から、民主党は医療人材の増員を掲げており、徐々に増やしているところではある。今後の増やし方については、地域や専門家から意見などを聞きながら、文部科学省と連携して考えていかなければならない。
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