【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■かかりつけ医機能報告制度が25年4月にスタート
「身近な地域における日常的な診療、疾病の予防のための措置その他の医療の提供を行う機能」をかかりつけ医機能と定義し、「今後、複数の慢性疾患や医療と介護の複合ニーズを有することが多い高齢者のさらなる増加と生産年齢人口の急減が見込まれる中、地域によって大きく異なる人口構造の変化に対応して、「治す医療」から「治し、支える医療」を実現していくためには、これまでの地域医療構想や地域包括ケアの取り組みに加え、かかりつけ医機能が発揮される制度整備を進める必要がある」との趣旨に基づき、かかりつけ医機能報告制度が、2025年4月にスタートする。
厚生労働省の説明資料「かかりつけ医機能報告の流れ」=資料=には、報告の流れと協議の場の設定、具体的方策の検討が図示されている。かかりつけ医機能を確保するための具体的方策の例として、3点(資料の◆)が挙げられている。
3点目の「地域の医療機関間の連携の強化」については、これまでも地域医療構想などにおいて、病床機能ごとの役割分担と連携強化が促されてきた。また外来機能報告、紹介受診重点医療機関の制度により、外来機能の明確化・連携強化も図られてきたと認識している。
そこで、オープンデータを用いて地域連携の取り組み状況の可視化を試みることにより、今後の連携強化の取り組み余地を探り、これからのかかりつけ医機能報告制度の可能性と、制度開始以前からできる取り組みについて考えてみたい。
■紹介・逆紹介の推進に
病院の受診患者における紹介・逆紹介の割合を都道府県間で比較した=グラフ1・2=。
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次回配信は3月19日を予定しています
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