中央社会保険医療協議会の薬価専門部会は17日、診療報酬改定が行われない2025年度の薬価中間年改定の在り方について議論を開始した。これまでの改定の影響も踏まえ、関係業界からの意見聴取も行いながら検討を深めていく。この日は、診療側が「実施の可否を含めた慎重な検討が必要だ」と主張した一方、支払側からは「現行の制度に則って薬価を毎年改定するのが基本スタンスだ」との指摘があり、双方の応酬が早くも始まった。【松村秀士】
薬価は、診療報酬改定のタイミングで通常の見直しが行われているが、16年の「4大臣合意」に基づき、市場実勢価格を薬価に適時反映して国民負担を抑制するため全品目を対象に薬価調査を毎年行い、その結果を基に薬価改定を行うこととなった。また、2年に1回の薬価調査に加え、その間の年も調査を行って実勢価格との乖離が大きな品目について薬価改定を行うこととされた。
中間年として初めての21年度薬価改定では、平均乖離率(8%)の0.625倍を超える価格乖離の大きい1万2,180品目(全品目の約7割)を対象に実施。これにより薬剤費が約4,300億円削減された。
また、平均乖離率は17年度に9.1%だったが、21年度に7.6%、23年度には6.0%にまで下がっている。
23年12月の中医協で了承された24年度の薬価制度改革の骨子では、診療報酬改定がない年の薬価改定の在り方について「速やかに議論を開始する」とされた。
政府が24年6月に閣議決定した骨太方針2024でも、イノベーションの推進や医薬品の安定供給の確保の必要性、物価上昇など医療を取り巻く環境の変化を踏まえて国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、25年度の薬価改定の在り方を検討する方向性が示された。
こうした状況を踏まえて厚生労働省は17日の薬価専門部会で、25年度薬価改定の在り方に加え、これまでの改定の影響も含めて関係業界にヒアリングを行いながら議論を深めていくことを論点に挙げた。
意見交換では診療側の森昌平委員(日本薬剤師会副会長)が、現在は薬価改定が毎年実施されていることにより
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