【国際医療福祉大学大学院 医療福祉経営専攻 教授 石山麗子】
4月から始まった「ケアマネジメントに係る諸課題に関する検討会」で、厚生労働省は、一体どのような方向性や出口を想定しているのか-。
6月24日に開催された第3回は、第1・2回を通じて議論されてきた4つのテーマについて、より具体的な意見を構成員に求めた。本稿では、その中のひとつである「介護支援専門員(ケアマネジャー)の業務の在り方」について私見を述べる。
この検討会を機に関心が高まっているのは、ケアマネジャーの「業務範囲」や「負担」である。3回目の会合では、ケアマネジャーの業務は「相談支援」であり、「直接的支援は対象外である」ことが確認された。
介護保険制度はケアマネジメントを取り入れている。その特徴の一つは相談窓口の一本化であり、ケアマネジャーが担っている。制度施行から四半世紀近くが経過し、「何かあればケアマネさんに連絡」は、それなりに定着した。評価できる一方で、急速に変化する社会事情、生活ニーズに対応できるだけの社会資源は地域に充足されなかった。ケアマネジメントは、資源を活用してニーズへ対応していく手法だ。つなぎ先が見つからなければ課題は相談窓口に蓄積していく。現に困っていることを誰よりも理解しているがゆえに、ケアマネジャーは「知りませんよ。」とは言えない。
筆者は、この検討会が始まってから地域や企業の団体のケアマネジャーと4つのテーマについて1回あたり2時間の意見交換を繰り返し、数百人のケアマネジャーから意見をお聞きしてきた。検討会では、その意見とさまざまなデータを踏まえて発言している。
ケアマネジャー自身が、“やむを得ず動く”という構図はあった。ただ、
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次回配信は8月ごろを予定しています
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