2024年度の診療報酬改定では、高齢者の救急搬送の受け皿として「地域包括医療病棟」が創設されることになった。病院団体などからはハードルの高さが指摘されているが、整備は進むだろうか。渡辺優氏(メディチュア代表取締役)のインタビュー。最終回では、新たな入院料の可能性を読み解く。【聞き手/兼松昭夫】
高齢者の救急搬送を巡っては、中央社会保険医療協議会の議論で当初、地域包括ケア病棟を受け皿にする方向で進んでいた。しかし、看護配置が手薄な地域包括ケア病棟では対応し切れないという意見が多く、新たな病棟を作ることになった。
地域包括医療病棟入院料は1日3,050点。「初期加算」や「リハビリテーション・栄養・口腔連携加算」などを併せて算定すると、14日目までは1日4,000点前後を見込める。
さらに、地域包括ケア病棟とは異なりリハビリテーション料などを出来高算定できる。
急性期一般入院料の病棟を移行させるべきか、頭を悩ませる経営者も多いだろう。急性期病院を全国展開する徳洲会グループは移行に積極的ではないというが、誤嚥性肺炎や圧迫骨折などの疾患を地域包括医療病棟で受け入れて早期リハビリテーションや在宅復帰支援に取り組めば、急性期一般入院料4などで受け入れるより収入が増えるケースもあると私はみている。
これらの疾患は医療資源投入量が少なくDPCの包括点数が低い。そのため入院が長引くと、看護必要度の基準をクリアできない上に1日3,000点を割り込むこともあり、急性期病棟で受け入れにくい。これに対し、地域包括医療病棟で受け入れれば
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