厚生労働省は22日、後発医薬品業界の再編などを議論してきた検討会の報告書を公表した。品質が確保された後発薬の安定供給に向けた具体策を実施するため、法的枠組みの必要性も含めて検討し、早急に実行するよう求めている。【松村秀士】
■従来のビジネスモデルは「成り立たない」
報告書では、企業のシェアが低かったり、生産効率が悪く収益性が低かったりしても後発薬市場の拡大に伴って今までは企業が成長を見込めたが、低分子の後発薬市場の大きな拡大はもう見込めないため、「これまでのようなビジネスモデルは今後、成り立たない」と忠告している。
その上で、後発薬の市場を持続可能にするため、生産効率の向上と増産、シェアの拡大で収益性を向上させ、「筋肉質の収益構造」を目指すよう各企業に求めた。
また、過度な低価格競争から脱却して「規模の経済」を動かしやすい企業群に移行するとともに、業界再編の機運を高めることが必要だとしている。
■5年程度の集中改革期間を設定
後発薬業界では、2021年2月の小林化工(福井県あわら市)を端緒に、法律違反で行政処分を受ける企業が相次いだ。その影響で、後発薬を含む医薬品全体の供給不安が続いている。
後発薬の将来にわたる安定供給に向けて、報告書では、
(残り471字 / 全993字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】