【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■22年度以降、ロボット支援手術機器の導入がペースアップ
厚生局の届け出受理医療機関名簿を基に、直近5年程度の内視鏡手術用支援機器の導入施設数の推移を見た=グラフ1=。なぜ前立腺がんの届け出を見ているかは、内視鏡手術用支援機器に関し、最も届け出施設数が多く、保険診療における代表的な適用例であるためだ。18年7月調査時点では250施設強であったのに対し、直近は500施設を超えた。約5年で2倍に増えたことになる。
2012年度診療報酬改定で内視鏡手術用支援機器加算が新設された直後は、わずか1年で2倍(40施設程度から80施設弱)に伸びたペースと比較すれば、だいぶ落ち着いたと言えなくもない。しかし、増加施設数で見れば、22年度以降の直近2年は年60施設以上のペースで増えている。22年度までの約10年間は年平均30施設の増加だったことを踏まえると、この2年の増加のペースアップが目立つ。
■ロボット支援手術機器の導入は560施設を超えた
保険診療の届け出項目という限定的な側面ではあるものの、正確な導入施設数を把握するため、内視鏡手術用支援機器の20数項目の届け出状況を見たところ、全国で563施設が保険診療のための届出を行っている=グラフ2=。病床規模を見ると、届け出は総病床数300床以上の施設が中心である。ただし、施設数は少ないものの99床以下や100床台の施設でも届け出を行っていることが分かる。
さらに一般病床を有する病院を分母に、病床規模別に届け出割合を見た=グラフ3=。病床規模が大きいほど届け出割合が明らかに高い。600床台や700床台、800床以上では9割前後の施設が届け出ている。
これらの状況から、大病院ではロボット支援手術の導入が当たり前になり、導入していない施設の方がむしろ珍しい時代になったと言えるだろう。
■急性期充実体制加算の届出施設の8割超がロボット支援手術機器を導入
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次回配信は5月8日5:00を予定しています
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