オンライン診療を含む遠隔医療の適切な普及につなげようと、厚生労働省は、医療機関の取り組み事例集(2024年4月版)を作り、各都道府県に共有した。国の規制改革実施計画などでオンライン診療の好事例を横展開することとされたのを受け、地域特性や診療科が異なる15の医療機関から課題や効果などをヒアリングした。【兼松昭夫】
■医師側の遅れに、より敏感に
15の事例のうち「青山メンタルクリニック」(東京都港区)では、うつ病・統合失調症・不安神経症・パニック障害など、急性期を除く精神科疾患全般の患者に20年3月からオンライン診療を行っている。23年12月現在、約90人の患者がオンライン診療を利用している。
当初は、受診歴がある患者向けに始めたが、新型コロナ禍で精神科を予約できない患者がいたため、受診歴のない初診患者の一部に対象を広げることになった。
それに合わせ、初診では向精神薬を処方できないなど「遠隔診療についての注意点」を作り、クリニックのホームページに掲載している。
新型コロナ禍に精神科を受診できない地域の患者にもオンライン診療で対応できたほか、遠方に転居した患者の診療を継続したり、施設の入所者など高齢な患者の通院や付き添いの負担を軽減できたりしているという。
遅刻が多い患者にはオンライン診療の当日に
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