【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長 、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
2024年度診療報酬改定では機能評価係数IIにさまざまな変更が加えられた。改定前には6項目で構成されていたうち、保険診療係数が廃止された(一部の評価は体制評価指数に移行)。また、救急医療係数の名称が「救急補正係数」に変更され、機能評価係数IIから独立した医療機関別係数と位置付けられた。
それに伴い、機能評価係数II は4項目に再整理された。さらに効率性係数は、全国の症例数に補正していた計算方法を、各病院の症例数に見直すこととなり、より実態を反映した上で医療機関群ごとに評価することとなった。これにより機能評価係数IIの4項目は全て医療機関群ごとの評価とされ、DPC標準病院群からDPC特定病院群に移行する場合に、医療機関別係数全体では評価が厳しくなることがさらに鮮明となった。
また、地域医療係数の評価はこれまで、体制評価指数と定量評価指数に均等配分されていたが、24年度改定でウエートが7対5とされ、体制評価指数を重点的に評価することとなった。さらに、体制評価指数の評価項目として、「臓器提供の実施」「医療の質向上に向けた取り組み」「医師少数地域への医師派遣機能」(大学病院本院群のみ)などが追加され、地域医療への貢献に限らず、多様な側面が評価される。
表は、23年度と24年度の機能評価係数IIの各項目(DPC算定病床数と救急補正係数を含む)と機能評価係数IIの合計値の相関係数だ。小数点第3位を四捨五入した上で、相関係数が0.4以上に色を着けている。
機能評価係数IIは4項目に変更されたが、各項目の重み付けは均等なので、この点は従来の評価が継続されている。救急補正係数は機能評価係数IIではなくなったが、「(※)」の行では、救急補正係数と機能評価係数IIの合計値と救急補正係数の相関係数を見た。
3つの医療機関群に共通して色が塗られたのが、
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次回配信は5月13日を予定しています
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