厚生労働省のワーキンググループは7日、国家戦略特区の枠組みを活用した救急救命士による救急車内でのエコー検査の実証試験の可否を改めて議論した。エコー検査の対象となる疾患を限定することなどを前提とした実証試験を岡山県吉備中央町が改めて提案したが、「教育年限の不足が明確」といった懸念する声が根強く、結論は再び持ち越しとなった。引き続き検討し、月内に一定の取りまとめを行う。【松村秀士】
1カ月前に開かれた前回の会合で、実証試験の方法や教育体制などにさまざまな懸念が示され、継続審議となっていた。
そこでの指摘を踏まえて吉備中央町は7日、特区での救急救命士によるエコー検査の実施方法などを改めて提案した。具体的には、救急救命士が遠隔地の医師に判断を仰ぎ、プローブを当てる箇所や当て方について細かく指示を受けながら、医師の責任の下で実施する。
また、路面の状況により車内の揺れが大きかったり、患者を静止することが困難だったりしてエコー検査を行うのが難しいケースや、実施しても患者の状態を十分に確認できないと医師が判断した場合には、実施せず通常のプロトコールに従って対応。救急救命士によるエコー検査は「マスト」ではなく、あくまでも対応の選択肢を増やす手段として行う。
対象とする患者の状態は腹腔内液貯留(肝破裂や脾破裂など)で、関連する診療科は
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