高齢化に伴い増加が見込まれる高齢者の救急搬送への対応策として、厚生労働省は2024年度の診療報酬改定で、看護配置「10対1」の体制を整備してリハビリテーションや栄養管理などを包括的に提供する「地域包括医療病棟入院料」と共に、三次救急病院などから連携先へのいわゆる「下り搬送」を評価する「救急患者連携搬送料」の新設を盛り込んだ。【兼松昭夫】
また、介護保険施設などの入所者が急変した際、協力医療機関の適切な入院の受け入れを促すため、「協力対象施設入所者入院加算」(入院初日)も新設する。
さらに、介護保険施設や障害者支援施設で医療保険から給付できるサービスの範囲も見直し、「がん性疼痛緩和指導管理料」「外来緩和ケア管理料」(がん患者のみ)のほか、「外来放射線照射診療料」などを算定できるようにする。
協力対象施設入所者入院加算は、介護保険施設が「協力医療機関」に指定している在宅療養支援病院や在宅療養支援診療所、在宅療養後方支援病院、地域包括ケア病棟(病室)が対象で、点数設定は「往診が行われた場合」と「それ以外の場合」の2段階にする。
医師が診察を行って入院の必要性を判断し、入院を受け入れた場合に算定できる。施設と定期的にカンファレンスを行うなど、平時からの連携体制を構築していることなどが条件。
■地域包括医療病棟入院料、急性期一般2-6の機能被りを精査へ
高齢者救急への対応策は、厚労省が26日、中央社会保険医療協議会の総会に示した24年度に行う診療報酬の個別改定項目案(短冊)に盛り込まれた。
それらのうち
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