【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■データ数が少ない病院の特性と複雑性係数の仕組みを理解しているのか
中央社会保険医療協議会の議論をしばらく見守っていた論点がある。それは「データ数」である。 9月の入院・外来医療等の調査・評価分科会「入院・外来医療等の調査・評価分科会におけるこれまでの検討状況について検討結果(中間とりまとめ)」で下記のような指摘があった。
この指摘の根拠となるグラフを見ると、データ数の少ない病院は、確かに複雑性係数が高くなっている=資料1=。
しかし、同時にデータ数の少ない病院は診療密度が低い傾向にあることも指摘されている=資料2=。
この資料1と2を見ると、データ数の少ない病院において、診療密度が低いのに複雑性係数が“不当に”高いと理解しそうになる。しかし、このような論理展開に強い疑問を感じる。なぜなら、議論に加わっている関係者が、資料1のデータ数と複雑性係数の関係性を適切に理解できていない可能性があるのではないだろうか。
この点について、2つの原則から考える。
・ 現状の複雑性係数は入院期間IIの日数の長さが重要
・ DPC算定病床の少ない病院や在院日数の長い疾患を診ている病院は、データ数が少なくなる
■現状の複雑性係数は入院期間IIの日数の長さが重要
まず、複雑性係数は
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次回配信は12月27日5:00を予定しています
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