また、クラスター(感染集団)などで看護職員が一時的に不足したり、看護職員1人・1カ月当たりの夜勤時間が1割以上変動したりした場合、入院料の変更の届け出を猶予する特例は「一定程度の期間」続ける。
厚労省案は、コロナ特例の大半を10月以降に縮小し、継続する内容になった。支払側の眞田享委員(経団連医療・介護改革部会部会長代理)は、特例は原則廃止すべきだと指摘した上で、「(厚労省案の)基本的な考え方自体に違和感がある」と述べた。
診療側の池端幸彦委員(日本慢性期医療協会副会長)は、新型コロナのクラスターが起きて病院の運営自体が難しくなるリスクを強調し、「少なくとも来年3月末まではかなり慎重なソフトランディングをしていただきたい。(特例の)ゼロはあり得ない」と訴えた。
診療報酬のコロナ特例は20年4月に始まった。厚労省は、感染の拡大に応じて特例を手厚くしてきたが、新型コロナが5類感染症に移行した5月8日以降、項目によって維持・縮小・終了させた。その後は、冬の感染拡大に先立ち、医療体制などの状況を夏まで見極めながら引き続き「必要な見直し」を行うこととされていた。
新型コロナの感染は「5類」になった5月以降、拡大傾向が続いているが、厚労省は、業務の効率化や人員体制の整備が現場で進み、特例の縮小が可能だと判断した。
一方、医療現場による感染症対応への評価は24年度から新たな報酬体系に切り替えることになっていて、中医協で引き続き議論する。
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