厚生労働省の有識者会議で、「今後のがん研究のあり方」に関する報告書の取りまとめに向けた議論が進んでいる。30日に開催された会合では、報告書の「素案」を基に議論した。遺伝性のがんの相談支援・情報提供に関する記載を求める意見が出たほか、研究でAIを活用できる人材を育成する必要があるとの指摘もあった。【新井哉】
第4期がん対策推進基本計画(3月28日閣議決定)では、がんの「予防」「医療」「共生」の各分野の目標が示されており、例えば、予防は「科学的根拠に基づくがん検診の実施」、医療は「希少、難治性がん対策」、共生では「相談支援、情報提供」などを挙げている。さらにこれらを支える基盤として、全ゲノム解析などの新たな技術を含むさらなるがん研究を推進したり、人材育成やデジタル化を推進したりする必要性を挙げている。
これらを踏まえ、「素案」では、治療方法や新規薬剤だけでなく、相談支援・情報へのアクセシビリティの向上やサバイバーシップ支援の充実により、がん患者とその家族の多様なニーズに対応する必要性を指摘。相談支援については、
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