厚生労働省は20日、紹介なしに受診する外来患者の割合が、500床以上の病院で2020年に5割を割り込んだとするデータを中央社会保険医療協議会の「入院・外来医療等の調査・評価分科会」に示した。一方、中小病院や診療所の「かかりつけ医機能」を評価する地域包括診療料などの届け出や算定は伸び悩んでいて、整備を急ぐ必要があるという意見があった。【兼松昭夫】
厚労省の担当者は、「かかりつけ医機能」を具体化するため、これから始まる省内の議論を踏まえ、2024年度の診療報酬改定に向けて評価の見直しを中医協で検討する方針を説明した。
厚労省がこの日示したデータによると、紹介なしに病院の外来を受診した患者の割合は1999年以降、病床規模にかかわらず低下傾向が続いていて、2017年から20年にかけては「20-49床」を除く全てで低下した。
大規模な病院での下げ幅が特に大きく、20年には「500-699床」と「700床以上」で共に初めて5割を下回った。
一方、診療所や中小病院の「かかりつけ医機能」への評価とされる「地域包括診療料」や、診療所のみの「地域包括診療加算」の届け出数は共に伸び悩んでいる。22年の算定回数は、地域包括診療料が微減、地域包括診療加算は微増だった(いずれも6月審査分)。
また、認知症に対する「主治医機能」への評価として、16年度に新設された「認知症地域包括診療料」と「認知症地域包括診療加算」の22年の算定は、前の年からそろって減少した(同)。
牧野憲一委員(旭川赤十字病院院長)は、
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