【千葉大学医学部附属病院 副病院長、病院経営管理学研究センター長 、ちば医経塾塾長 井上貴裕】
連載第47回では、DPC特定病院群(当時のII群)らしさについて取り上げ、予定入院が多く、比較的若い世代から選ばれる病院、あるいはそのような診療機能であり、結果として入院期間II以内の退院患者割合が高い傾向があることについて15病院のサンプルデータで明らかにした。診療密度が高い病院がDPC特定病院群なのだから、濃厚な治療をする患者獲得が鍵を握り、若い世代にそのような患者が多くなる。高齢者救急は、特に入院後半は治療を要しないが、さまざまな事情で退院できないことが多く診療密度が低くなることも本連載で明らかにしてきた。
ただ、第47回の2016年と今ではDPC特定病院群が大幅に増加しており、傾向を改めて確認することが望ましいと考えた。さらに、15病院のサンプルデータではなく、オールジャパンの実態把握が必要である。本稿では、「令和3年度DPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告について」と22年度の機能評価係数II、各病院がwebサイトで公表する21年度DPCの病院指標、21年度病床機能報告データを用いて医療機関群ごとの診療機能の実態について検証する。なお、21年度の病院指標については、1,764のDPC参加病院のうちアクセス不能・開示無し・再編統合が20件あったが、全体の99%を占め、ほぼオールジャパンであり、実態を表していると考える。
グラフ1は
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次回配信は6月19日5:00を予定しています
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