【元松阪市民病院 総合企画室 世古口務】
公立病院の経営において、病院を新築する場合の費用が病院経営に大きな問題となります。すなわち病院建築費用が赤字の原因になることがしばしばみられます。公立病院の場合は、最初に「建築ありき」で計画しており、国、各自治体からの企業債(国からの借り入れ金)を利用することが多く、年間の医療収入以上に豪華な建物を建築する傾向にあります。
マイホームを新築する場合を想定してください。現在、どれほど貯金があるのか、それぞれの家庭の年間収入はどれほどかによって予算は自ずと決定され、それに基づいて計画すると思います。
これが公立病院の新築の場合には、このような考え方ではなく、返済可能な計画もないまま病院新築計画をしてしまう傾向があるのです。一般に、公立病院は民間病院に比べて建築費(土地代は別として)が約2倍になると言われています。
全国自治体病院共済会の調査によれば、
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次回配信は5月26日5:00を予定しています
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