【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■CT・MRI台数、ほぼ安定状態となった病院とまだ増える診療所
CTやMRIの保有台数は諸外国と比較し極めて多いと言われている=グラフ1、2=。しかし、そのような環境においてもCTやMRIの保有台数は伸び続けている=グラフ3、4=。CT、MRIの増加の背景には、医療の高度化や高齢化の進展などが影響しているものと思われる。
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グラフ3、4のデータを用いて、CTとMRIの保有台数の伸び率を調べた=グラフ5=。以前CTで1.5%前後、MRIで3%前後あった年平均成長率は、直近どちらも1%程度まで下がった。ただし、年平均成長率について、病院と診療所の内訳を見ると、診療所は病院に比べ、成長率が高くなっている=グラフ6=。
ただし、CT1台当たりの利用患者数は、病院と診療所で5倍以上の開きがある=グラフ7=。その上、病院は年々増える一方で、診療所はほぼ横ばいになっている。MRIについても、病院の患者数は、診療所の1.3倍程度と多くなっている=グラフ8=。
CTとMRIの台数の伸び率や患者数の推移を見ると、病院では台数を増やすフェーズはほぼ終わり、リプレイス中心のフェーズに移ってきていると思われる。また、台数は増やせないものの、CTでは1台当たりの患者数が増えていることから、より効率的な運用を目指しているように思われる。
診療所は、CTもMRIも病院と比較し患者数が少ないにもかかわらず、まだ台数が増えている。おそらく、診療所で提供している医療の高度化の影響はあまり関係なく、診療所間での差別化要素が少なく、競争力を確保するため積極的な投資をしていることが大きく影響しているように思われる。
■少子高齢化が進む地域で診療所を始めるなら、CT・MRIを持つべきか
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