【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■働き方改革の推進で重視される医師事務作業補助者の充実
働き方改革の推進に当たり、大きな不安を感じている病院が少なくない。今年度に入ってからは、漠然とした不安ではなく、宿日直許可の申請や勤怠管理の見直し、非常勤医の確保など具体的な課題を聞くことが増えた。安定的な医師確保のため、できる限りの対策を講じておきたい病院では、医師事務作業補助者の充実や、電子カルテの導入なども具体的な対策としてよく挙げられる。
病床の高回転化や診療報酬上の記録などの作業負担増大により、医師事務作業補助者の必要性は年々高まっている。先日、社会保障審議会・医療部会で取りまとめられた医療提供体制の改革に関する意見においても、事務作業の増大に触れられている=資料=。
医師事務作業補助者の充実は、医師の事務作業の負担軽減を図り、生産性向上につながる。また、医師にたくさんの病院の中から自院を選んでもらいたいならば、なるべく医師目線でのマイナス要素は減らすべきである。医師事務作業補助者の充実は、医師にとって煩わしい事務作業から解放され本業に専念できる。
さらに診療報酬上の要件を満たせば、医師事務作業補助体制加算の算定も可能となる。医師事務作業補助体制加算の点数では、場合によっては医師事務作業補助者の人件費を賄いきれないこともある。しかし、医師の生産性向上や、自院の魅力向上も含めて考えれば、経営的には大幅なプラスになると認識すべきだろう。
直近の医師事務作業補助体制加算の届出状況を見ると、一般病床を有する病院では、5割以上で届け出ている=グラフ1=。
■医師事務作業補助者の充実に積極的な中小病院の増加
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次回配信は1月18日5:00を予定しています
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