【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■なぜ機能強化型を目指さないのか
訪問看護ステーションでは、ターミナルケアの実施や看護職員の手厚い配置、研修等を要件とした機能強化型の事業所に対し、月の初日の額を高く設定している=資料1=。2022年度診療報酬改定においては、機能強化型1と2におけるその金額が300円ずつ引き上げられた。機能強化型は大型化による運営の安定化につながる。
それにもかかわらず、直近の届け出は事業所の6%にも満たない=グラフ1=。
届け出が進まないのは、要件を満たすことが難しい、金銭的なメリットが少ないなどの理由が考えられる。設立から少なくとも10年以上経過している事業所(1993年から2011年までに指定を受けた事業所)を対象に、機能強化型の届出状況を運営母体別に比較すると、株式会社等が運営している事業所が相対的に低い=グラフ2=。
株式会社等の事業所とそれ以外の事業所で、指定時期別に機能強化型の割合を比較すると、近年急増している株式会社等の事業所は、ほとんど機能強化型になっていないことが分かる=グラフ3、4=。
株式会社等の訪問看護事業所の急増の背景には、特定の法人が極めて速いスピードで多施設展開していることがあると思われる。例えば、株式会社等では1法人で21施設以上運営している施設数の比率が高い=グラフ5=。
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次回配信は12月7日5:00を予定しています
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