【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■DPC算定病院の経営を左右する機能評価係数II
DPC算定病院では、DPCの階段状の包括点数に医療機関別係数を乗じ入院収入が定まる。この医療機関別係数は、診療機能(施設特性)を反映させた基礎係数、人員配置や病院全体で有する機能を反映させた機能評価係数I、医療機関が担うべき役割や機能に対するインセンティブである機能評価係数IIの3つで構成される。
基礎係数は病院群ごとに設定されるため、どの群に属するかが重要である。ただし、大学病院本院群は、その名の通り大学病院本院しか属することができない。また、特定病院群は診療実績で決定するため、当落線上の病院では一喜一憂するかもしれない。しかし、その他多くの病院はおおよそどの群に属するか決まっており、努力の余地はほぼない。機能評価係数Iは7対1、10対1の看護配置をはじめとした内容を、出来高算定を想定した分を係数に置き換えたものである。そのため、医師事務作業補助者の配置や、地域医療支援病院の認定などの充実を目指すことが重要である。医師事務作業補助体制加算は、2022年度改定で経験年数などの要件が加わった。このような改定内容にしっかりと対応することが求められる。
一方、機能評価係数IIは医療機関の成績表のように、1年ごとに示される数値である。この係数IIの目的は「インセンティブ」であり、病床高回転化などの取り組みが評価される。大学病院本院群の最高値は
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次回配信は6月8日5:00を予定しています
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