【株式会社メディサイト 代表取締役 松村眞吾】
4月からの診療報酬改定案が固まってきた。薬価などは1.37%下げ、いわゆる本体部分は0.43%上げで、全体として0.94%の下げとなった。本体部分の上げは、不妊治療の保険適用と看護師の待遇改善が主たるものである。2021年12月10日付で社会保障審議会から22年度診療報酬改定の基本方針が出たが、それを読み込んでいくと、もう少し具体的な改定内容も見えてくる。今回は幾つかの項目に関して論じていきたい。
本稿は、「連携」を基本テーマとして連載中であるが、改定に当たっての基本認識においても、コロナ禍を踏まえた連携の重視がうたわれている。例えば、「地域における外来・入院・在宅にわたる医療機能の分化・強化、連携等の重要性が改めて認識」され、「医療機関間の役割分担や連携など、関係者が連携の上、平時と緊急時で医療提供体制を迅速かつ柔軟に切り替える」などの体制確保の必要があると記された。切れ目なきケアの継続という、地域包括ケアシステムのテーマともなっている「連携」への、より一層の強調が注目される。
今回、前面に打ち出されたのはICT(情報通信技術)やデータ利活用などの、デジタル化に関することだ。オンライン診療、オンライン服薬管理、医療機関間での情報共有などが推進されようとしている。デジタル化については実現性に疑問の声もあるが、連携を図っていく上でボトルネックをつぶしていかなければならない。それに対する手当てがどうなるかが、注目される。
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