【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■看護必要度の見直しで最も留意すべきは「骨の手術」
17日の中央社会保険医療協議会・総会(第506回)にて、看護必要度見直しのシミュレーション結果が示された=グラフ1=。A項目の「点滴ライン同時3本以上の管理」の項目削除や、C項目の「骨の手術」の日数を11日から8日へ短縮、B項目の「衣服の着脱」の削除への見直しは、基準を満たさなくなる患者割合が2-3%程度と低い。
一方で、A項目の「心電図モニターの管理」の除外は、看護必要度Iで18.9%、看護必要度IIで11.9%と、大きく該当患者割合が低下する想定となった。これは、第135回の当連載記事で心電図モニターの影響は大きいと述べていた通りで、驚きはない。また、同時におそらくハードルも下がるため、過度な不安は要らないとも述べた。これは、このグラフ1の結果を見ても何ら変わらない。
グラフ1 看護必要度 項目除外・日数変更による影響調査結果
中央社会保険医療協議会 総会(第506回、2021年12月17日開催)資料を基に作成
さらに、入院料別の調査結果に着目する。調査対象の患者数が桁違いに少ない急性期一般入院料3は、心電図モニターも骨の手術も、他の入院料と大きく異なる影響度合いとなっていることが示された=グラフ2=。調査対象の患者数が少ないから「外れ値として見るべき」と考えられる値だが、看護必要度の変更の影響は病院により大きく異なることを、たまたま示してしまったと見ることができる。
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次回配信は1月13日5:00を予定しています
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