【株式会社メディサイト 代表取締役 松村眞吾】
「医療資源を重点的に活用する外来」(仮称)を、地域で基幹的に担う医療機関に関する評価に向けて、政府は2022年度から外来機能報告制度を具体化しようとしている。すでに200床以上の病院では、紹介状なき初診の診療料に選定療養費を上乗せする仕組みはあるが、かかりつけ医療機関と専門性の高い医療機関の機能分担を、外来部門でも強化していこうという狙いがある。
周知の通り、欧州などでは、まずかかりつけ医を受診しなければ入院することもできない仕組みとなっているし、英国の家庭医(GP)なども有名だ。日本においても、フリーアクセスの意味を変えていこうという動きがあって、それが地域包括診療料および同加算の創設や、選定療養費の広がりになって表れてきた。
入院についても、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の整理が行われ、コロナ禍で混乱はあったが地域医療構想としてその実現が進められてきた。しかし、外来機能については医療機関間の役割・機能分担がいま一つ明確には整理されていなかったため、22年度以降、外来機能の分担を、仕組みとしてつくっていこうということになったわけである。
次期診療報酬改定の重点項目の1つに「働き方改革」があるが、外来機能の分担はこれとも関係する。より専門性の高い医療機関には専門医療に集中してもらい、軽症患者の外来診療から解放して、過重労働を減らしていこうとするものである。専門性の高い診療、病棟での診療が、言ってみれば急性期病院の医療者の本務であり、機能分担は労働時間短縮にもなる。
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次回配信は1月7日5:00を予定しています
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