ピーク時には1日50人を超える新型コロナウイルス感染症の陽性者の入院を受け入れた順天堂大学医学部附属浦安病院。パンデミックを想定した事業継続計画(BCP)が、感染拡大の抑止に大きく貢献した。同病院の川島徹事務部長に、BCPの意義などについて聞いた。【川畑悟史】
順天堂大学医学部附属浦安病院の川島事務部長
-順天堂大学医学部附属浦安病院へ入院した新型コロナウイルス感染症の陽性者数はピーク時で1日50人を超えましたが、これまでに院内でクラスターが発生しても院内隔離処置で対応できています。
院内では、2020年4月に「新型コロナウイルス感染対策本部」を立ち上げ、その本部を軸に、コロナ対応に当たってきたため、先手、先手に対応できていることが功を奏している。
本部を立ち上げる前から、新型コロナ対応に向けた取り組みを始めていた。クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」内での感染が同2月に問題になった際に、院内では委員会を立ち上げ、3月にはパンデミックを想定した診療継続計画を策定。まん延期での患者の受け入れ態勢とサプライチェーンマネジメントが大事になるという前提の下、本部運営を始めた。
受け入れでは、一般外来患者と交じらないように発熱患者専用動線を作ることに注意を払った。どうトリアージしていくのかをあらかじめ決めた。患者の受け入れ能力も、最大40%の欠勤が出るということを想定し、考えた。また、委託会社との人員確保も事前に調整した。
あの時に、最も不足した医療資材の1つがマスクなど感染防護用品だった。
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