コロナ禍による利用者減などの影響で運営が厳しくなる介護老人保健施設(老健施設)。税制によるどのような支えが必要なのか。全国老人保健施設協会の今村英仁副会長に聞いた。【川畑悟史】
全国老人保健施設協会の今村副会長
-新型コロナで大きな影響を受けました。
今回のコロナ関連の補助金は本当に助かった。ただ、コロナ補助金は、非課税ではないので、その分、今年は、支払う法人税額も多くなる。国からすると、そもそも赤字になるからという話で補助金を出したのに、それが黒字だったら、法人税は払えというかもしれないが、出した補助金の先が国公立病院であれば、非課税になる。コロナ対策でやっていることは、国公立も民間も同じということからすると、老健施設で受け取ったコロナ補助金も非課税扱いにしてほしい。老健施設への寄付金に対する受贈益を法人税の非課税対象にするなど、コロナ関連の税制措置について求めていきたい。
新型コロナの陽性者数は、世界全体で見ると、日本はかなり低い水準ではないか。現時点で明確なエビデンスがあるわけではないが、現状の地域包括ケアシステムが大きく貢献したのではと考えている。そのシステムの中核を担う1つである老健施設では、利用者や職員に感染者が出ないよう、必要な物資の購入や設備投資を行い、細心の注意を払いながら運営してきた。その一方で、利用者が減り、経営が悪化している老健施設も少なくないという実態を国はしっかり見てほしい。
-地域包括ケアシステムの実現に向け、老健施設の役割がより大きくなりました。
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