社会保障審議会・医療保険部会は29日、診療報酬改定の基本方針についての議論を開始した。健康保険組合連合会の委員は、コロナ禍を踏まえ、入院・外来とも「医療機能の分化・強化、連携」がこれまで以上に重要な課題になるとし、特に、かかりつけ医機能の強化が重要だとした。一方、日本医師会の委員は、かかりつけ医機能について、制度化ではなく、現在の仕組みをさらに増進させる方向で進めるべきとした。【ライター 設楽幸雄】
診療報酬改定の基本方針に関する社会保障審議会の議論は、これまでは9月に開始していたが、前回改定時の議論で開始が遅いとの意見があったことを踏まえ、今回は7月の開始となった。取りまとめ時期は、従来通り、12月初めごろとなる。
提出された資料は、前回改定時の基本方針で、「改定に当たっての基本認識」と「改定の基本的視点と具体的方向性」の2部構成となっている。
また、基本認識は、▽健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現▽患者・国民に身近な医療の実現▽どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進▽社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和-で構成。
基本的視点は、▽医療従事者の負担軽減、医師等の働き方改革の推進【重点課題】▽患者・国民にとって身近であって、安心・安全で質の高い医療の実現▽医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進▽効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上-の4点を挙げている。
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