厚生労働省子ども家庭局母子保健課は20日、プレコンセプションケアに対する体制整備に向けて、現状把握および論点整理を行うための第1回有識者ヒアリングを開催した。有識者が発表を行い、日本小児科学会や日本産科婦人科学会などのオブザーバーによる質疑や意見交換が行われた。【齋藤栄子】
有識者ヒアリングは、2月9日に閣議決定された「成育医療等基本方針」で、「男女を問わず相談支援や健診等を通じ、将来の妊娠のための健康管理に関する情報提供を推進するなど、プレコンセプションケアに関する体制整備を図る」と記載されたことを受けたもの。方針では、プレコンセプションケアを「女性やカップルを対象として、将来の妊娠のための健康管理を促す」取り組みだと定義された。
厚労省が体制整備を行うに当たり、今後、保健所等を活用し、▽性・生殖に関する正しい科学的知見の普及▽学校・家庭以外での性に関する相談の場の提供-を行う場合、具体的に何を行えばよいのかを論点としている。
計2回のヒアリングを通じて、▽どのような層に対して、どのような場で、どのような内容の情報を提供すべきか▽どのようなツールでケアを必要とする層にアプローチするのか▽どのような相談支援を行うことが求められるのか▽プレコンセプションケアを提供する機関をどのような名称にすればよいか-についての意見を有識者に求める。
日本助産師会副会長の安達久美子氏は、児童・生徒や保護者を対象に行っている性教育や命の大切さを伝える活動、各都道府県にある子育て女性健康支援センターでの相談事業や健康教育について報告した。これらの活動を通じた課題として、主に地域からの要請を受けて実施しているので、地域格差があることを挙げた。また、単発に終わりがちであるため、地域で毎年健康教育を行える継続的なケアや、プライベートを守るために個別相談の場所を確保する必要性、成熟期女性を対象としたケアの充実などについても課題だとした。
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