厚生労働省は23日、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種について、歯科医師による筋肉注射を特例的に認める方針について、専門家の懇談会に示した。集団接種の場に限定するなど一定の条件の下に行う場合に限り、賛成する方向でまとまった。この日の議論を踏まえて、厚労省は早期に事務連絡を出す方針。【齋藤栄子】
特設会場での集団接種は、各自治体が実施主体。自治体へのアンケート(3月25日時点の状況を調査)では、医師・看護師のいずれも不足していると約2割の自治体が回答したことなどを、「新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に係る人材に関する懇談会」に厚労省が示した。
ワクチン接種のための注射は、医師法上、歯科医師には行えないが、その行為が正当化される場合には、違法性が阻却される。新型コロナのワクチン接種は通常と異なり、大規模な接種を長期間に行うため、円滑な実施には医療従事者の十分な確保が必要になる。同様の考えから、歯科医師がPCR検査のために鼻腔・咽頭拭い液の採取を実施することについても容認され、厚労省は2020年4月に事務連絡を発出している。
懇談会では、▽必要な医師・看護師等の確保ができないために、特設会場での集団接種が実施できない状況にある▽協力に応じる歯科医師に筋肉注射の経験がある、または必要な研修を受けている▽歯科医師による接種について患者の同意を得る-という3つの条件を満たす場合、違法性が阻却されるとの考えが示された。
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