糖尿病専門医でBasical Health産業医事務所の代表を務める佐藤文彦氏は3月24日、オンラインセミナー(CBホールディングス主催)で、2024年度に始まる医師の時間外労働規制を踏まえ、「医師の働き方改革」について講演した。
佐藤代表は順天堂大学医学部附属静岡病院の糖尿病・内分泌内科科長として勤務時に、コーチングを用いて医局員の定時退勤と診療科の売上高過去最高を両立させ、同診療科を「誰も行きたがらない派遣先」から「新入局員が行きたい派遣先ナンバーワン」に押し上げた実績を持つ。【井上千子】
佐藤代表は24年度までに、「医師の労働時間のデータを把握し、今年中にもタスク・シフトなど労働時間短縮の方針を立て、来年には計画書の作成を進める必要がある」と述べ、受講者に早急な対応を促した。
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■徹底的なヒアリングで残業時間減に成功
佐藤代表は順天堂大学静岡病院で実践した取り組みを紹介。
コーチングを用い、多職種へヒアリングを実施し、「改善点や不満点のほか、誰がどの仕事を担当しているのか棚卸しをし、多職種へ移行できる業務を選別した」と説明した。
これら意見を踏まえ、医師の業務を看護師や薬剤師、医療事務へタスク・シフトしたことで、他病棟へ巡回する時間が確保でき、医師の残業時間の大幅減と定時退社につながったという。
佐藤代表は「ヒアリングで現場の課題を明確に理解した上で施策を講じたため、効果は百発百中だった」と述べ、施策に現場の声を反映させる重要性を強調した。
■近隣開業医へ逆紹介で収益アップ
また、佐藤代表は売上高増に寄与した要因として、同院での治療で症状が安定した患者さんを近隣の開業医に積極的に逆紹介した事例を挙げた。
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