【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■DPC退院患者調査の対象病院数は5,000を超えた
3月24日の中央社会保険医療協議会・総会に、2019年度のDPC導入の影響評価に係る調査「退院患者調査」の結果報告がされた。いわゆるDPC公開データの開示だ。年々、対象病院の数が増えており、今回、ついに5,000病院を超えた=グラフ1=。かつてはDPC算定病院とDPC準備病院を対象としていた。改定のたびにデータ提出の対象は地域包括ケア病床を持つ病院や、200床以上の病院、200床未満の病院へと、徐々に拡大してきた。
グラフ1 DPC退院患者調査の対象病院数推移
DPC公開データ(2012-19年度実績)を基に作成
18年8月時点と直近の21年2月時点でのデータ提出加算の届出施設割合を、病床規模ごとに比較した=グラフ2=。200床以上(オレンジ色の点)は、18年8月時点での届出割合にかかわらず、21年2月時点でほぼ100%に近づいた(経過措置があるため100%にはならない)。一方、200床未満(緑色の点)はデータ提出が急速に進んでいるものの、まだ相対的に低く、これから徐々にデータ提出が進むものと思われる。
グラフ2 病床規模別 データ提出加算 届出施設割合 18年8月時点と21年2月時点の比較(精神病床のみの病院は含まない)
各地方厚生局 届出受理医療機関名簿を基に作成
開示されたDPC公開データの集計対象である5,143病院について、急性期病床を持つか、DPC算定対象か、地ケア・回リハ病床を持つかなどの事由で区分した=図=。12年度には、DPC算定病院は1,501病院、出来高算定病院(DPC準備病院・準備病院以外の出来高病院)は273病院であった。これに対し、19年度のDPC算定病院は1,724病院とあまり増えていない。
一方、急性期病床を持つ出来高算定病院は2,403病院に増え、急性期病床を持たない出来高算定病院も1,016病院となった。この1,016病院には地ケア・回リハを持たず、療養病床しか持たない病院が276病院含まれている。さまざまな病院から提出されたデータが集計されていることで、今まで気づかなかったことがあるかもしれない。時間に余裕のある時に、じっくり確認することをお勧めする。
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次回配信は4月14日5:00を予定しています
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