【株式会社ジャパンコンサルタント アンド メディカルサービス代表取締役 森清光】
2020年9月16日、安倍内閣で官房長官を務めた菅氏が首相となり、新たな内閣が始まりました。政策の目玉としてデジタル庁の創設に向けた動きがあり、年内には基本方針を決める運びとなっています。特にマイナンバーカードの拡大運用を目指し、次年度から始まる健康保険証としての機能だけではなく、運転免許証や銀行口座とのひも付けなどにより、一元管理がしやすい体制を目指しています。
厚生労働省が発表した21年度予算概算要求においても図のように、データヘルスで大きく予算要求をしています。
「令和3年度厚生労働省所管予算概要要求関係」
「令和3年度予算概算要求の概要」
厚労省資料より
医療分野のデジタル化においては、昨今の新型コロナウイルス禍により、医師会の反対をなし崩し的に認めさせた「オンライン診療」ですが、恒久化に向けた検討を菅首相が田村厚労相に指示するなど、医療機関の診療体制にとっては、もはや避けて通れない道となることでしょう。
オンライン診療に関しては、現在IT各社から次々と新サービスが提供されており、病院側にとってはどのサービスを活用するべきか悩ましい問題でもあります。特に、オンライン診療向けに以前から提供してきた企業サービスは、病院側からの収益がメインであり、初期費用・月額料金を病院に求めるため負担感から躊躇される傾向でした。しかし、本年11月参入予定のコミュニケーションアプリ大手LINEのように、膨大な会員数と資金力がある企業がユーザーエクスペリエンス向上を目的とし、初期費用・月額料金を0円(20年10月時点)とし、決済手数料のみの負担で病院側を募集するなど、恒久化に向けた新たな局面を迎えています。
■本格化するデジタル社会へ病院はどう対応するか?
(残り1373字 / 全2149字)
この記事は有料会員限定です。
有料会員になると続きをお読みいただけます。
【関連記事】