【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■病床利用率の低下による減収・減益、年度計画は早くも見通しの立たない状況に
病院経営に対する新型コロナウイルス感染症の影響は、これまで経験したことのないインパクトになっている。CBnewsでも8月5日に「5月診療分医療費計、マイナスが2桁に拡大12%減」と報じられた通り、医療費は大幅な減少になっている。この医療費の減少度合いには、地域差が見られる。国保連合会の5月診療分医療費の前年同月比を都道府県別に比較した=グラフ1=。
赤色ほど減少幅が大きく、緑色ほど減少幅が小さいことを示している。東京と福井の減少幅が特に大きい。減少幅は都道府県間で最大10%程度の開きがあった。当然、地域で病院経営へのインパクトも大きく異なっているだろう。さらに、グラフ1の都道府県別の医療費の変化について、人口密度との関係を見た=グラフ2=。
グラフ1 都道府県別 医療費の変化(対前年同月比)
国民健康保険中央会 医療費速報2019年5月診療分、2020年5月診療分を基に作成
※市町村国保分と後期高齢者分の合計で計算
グラフ2 都道府県別 医療費の変化(対前年同月比)と人口密度の関係
国民健康保険中央会 医療費速報2019年5月診療分、2020年5月診療分、総務省 第68回日本統計年鑑(2019年)を基に作成
人口密度の高い所は減少幅が大きい。これは、
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次回配信は9月30日5:00を予定しています
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