日本学術会議は31日、発達障害への多領域・多職種による支援と成育医療の推進に関する提言を公表した。成育医療がそれを必要とする発達障害児とその家族のウェルビーイングに資するためには、「メンタルヘルスを含む医療的支援が適切に学校や福祉現場にインプットされ、多領域・多職種連携が強化されなくてはならない」と指摘。多領域・多職種連携でインプットされる医療機関から教育機関への情報提供や指導に対しては、「従来、診療報酬の規定はないが、専門性に見合った診療報酬の見直しといった設計上の工夫が必要である」としている。【新井哉】
提言では、発達障害は単独で現れることは稀であることに触れ、「メンタルヘルスの問題(不安、うつ、摂食障害、睡眠障害、行動嗜癖など)を高率に合併するためにマスクされて見えにくいということがある」と説明している。発達障害とメンタルヘルスの問題から生じる適応困難については、健康支援ニーズではなく、「問題行動」として、しつけや指導の対象となっていることが少なくないことを指摘。成育過程で現れるメンタルヘルスの問題への対応が適切にされないと、成人後の社会生活に広範に深刻な影響を及ぼすとし、「成育医療の整備は、メンタルヘルスへの対応を考慮に入れて計画されなくてはならない」としている。
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