【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■2020年度診療報酬改定、看護必要度が上がった疾患、下がった疾患
2020年度改定、急性期病院における「重症度、医療・看護必要度」(以下、看護必要度)の見直しは、救急、手術の患者の評価が引き上げられ、認知症の患者の評価が下げられた。その結果、認知症の患者評価に頼っていた病院は、かなり厳しくなっただろう。一方、救急や手術の患者が多く、病床を高回転させている所では、看護必要度の該当患者割合が50%を超える所もある。つまり、看護必要度の改定の影響は、病院によって大きく異なる。そのため、一様に「こうすればよい」という対策はあまり意味がない。
急性期病院で患者数の多い代表的な疾患について、看護必要度の改定の影響を整理する。まず、看護必要度が下がった疾患を挙げる。
看護必要度が下がった疾患
・誤嚥性肺炎
・脳梗塞
・心不全
20年度改定で看護必要度が下がった疾患は、18年度改定で新設された条件「認知症患者はA項目1点でよい」をクリアしたことで、18年度に看護必要度が大幅アップした疾患である。18年度に新設された認知症患者の条件が、20年度改定でなくなったのだから、前の状態に戻っただけである。18年度改定後、看護必要度を強く意識してベッドコントロールや後方連携をしていた病院では、20年度改定の影響に鑑み、18年度改定以前の方針に戻すことなども考えるべきだろう。
ただし、20年度改定では、地域包括ケア病棟への院内転棟に対する制約が厳しくなった。これを踏まえ、地域の後方病床への早期転院や、介護施設への早期退院、在宅機能との連携強化などが重要になる。
次に、看護必要度が上がった代表的な疾患を挙げる。
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次回配信は8月5日5:00を予定しています
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