【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■1年ごとでも明確に変化が捉えられる高齢化の速さ
病院関係者が自院の特徴として、「うちは高齢者が多い」と言うのは決まり文句である。病院はどこも高齢化が進んでいる。ただし、大学病院や急性期の基幹病院では、相対的に高齢化が進んでいない。これまではそう考えてきたのだが、ここ数年の高齢化のスピードは自分が思う以上に速い。
前回の「高齢化のスピードの速さが戦略見直しのきっかけに」では、ある県庁所在地の基幹病院のデータを基に、具体的な高齢化の進展の速さを示した。グラフ1は、取り上げたデータの一例で、A市の基幹4病院について年代別入院患者数の2015年度から18年度までの推移をグラフ化したものだ。このような変化に対し、備えること、先手を打つことが、経営上、重要になってきていると述べた。
グラフ1 前回取り上げたA市 急性期基幹4病院合計 入院患者数推移(10歳刻み)
A市4病院 病院情報の公表 年齢階級別退院患者数(15-18年度)を基に作成
今回はその続きとして、高齢化の進展が「DPCの機能評価係数IIに与える影響」を見ることで、具体的な取り組みの必要性について考えてみたい。
■DPC病院全体では80歳以上が23%、61歳以上は3分の2を占める
DPC病院全体の、入院患者の年代別割合を見た=グラフ2=。
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次回配信は7月22日5:00を予定しています
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