新型コロナウイルス感染症の重症化を防ぐ効果があるとされるアビガンについて、安倍晋三首相は4日の記者会見で、5月中の承認を目指す考えを示した。また、すでに国内での観察研究による投与が3,000例近くに達していることも示した。全国の医療機関に観察研究への参加を呼び掛けている厚生労働省は同じ4日の事務連絡で、アビガン投与のための観察研究への参加方法はより簡略であることを示した。投与例を増やして、より早い承認を目指すためとみられる。【ライター 設楽幸雄】
アビガンを新型コロナウイルス感染症の患者に投与するには、国立国際医療研究センターと藤田医科大病院がそれぞれに実施している厚生労働科学研究としての観察研究に参加する必要があり、厚労省は、2つの連絡先と、参加方法や患者の要件などを、4月27日付の事務連絡で示していた。
4日の事務連絡は、参加方法について、より丁寧な説明をし、観察研究に参加するのに必要な倫理審査委員会の承認については、各医療機関として実施すべき適応外使用についての手続きが済んでいれば、倫理審査委員会の承認前に、投与自体は開始できるとした。
観察研究への登録が事後でもよいことを明確にしたものだ。
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