【株式会社メディチュア 代表取締役 渡辺優】
■入院期間IIまでDPC点数継続の経営的インパクト
昨年12月の中央社会保険医療協議会・総会で、DPC対象病棟から地域包括ケア病棟への転棟患者は、入院期間IIまでDPC点数を継続する方針が厚生労働省から示された。
中医協・総会(2019年12月6日開催)資料より引用
「胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む)手術なし」(160690xx)の圧迫骨折の場合では、入院期間Iの終わりで、地ケアの点数がDPC点数を上回り、そのタイミングで多くの患者が転棟していることが示された=資料=。いわゆる“一物二価”状態の解消を目指すことは、患者の費用負担の観点などから一定の合理性がある。しかし、すでに地域包括ケア病棟を運用しているDPC対象病院においては、経営的なインパクトや転棟ルールの見直しを迫られる診療報酬改定となるため、大きな関心事になるだろう。
資料 DPC点数と地域包括ケア病棟入院料の比較と転棟タイミングについて
中医協・総会(2019年12月6日開催)資料より引用
しかし、その経営的インパクトは病院によって異なる。影響を及ぼす代表的な3つの要因を挙げる。
経営的インパクトに影響する3つの要因
●医療機関別係数の高さ
●転棟タイミング
●転棟対象の疾患構成
■医療機関別係数の低い病院ほど影響大
資料下の注記に、次のような記載がある。
注記に従い、医療機関別係数を1.298とした場合、160690xx99xx0xの「胸椎、腰椎以下骨折損傷(胸・腰髄損傷を含む)手術なし 定義副傷病名なし」は、次のような点数推移になる=グラフ1=。入院期間IIになる9日目で、DPC点数より地ケア点数が高くなる。
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