厚生労働省は6日の中央社会保険医療協議会・総会に、回復期リハビリテーション病棟の評価について、入院料1・3・5のリハビリテーション実績指数の基準値を段階的にする案と、入院患者に関する「発症後の期間の要件」をなくす案を示した。診療側の委員は賛成したが、支払側の委員は全ての回復期リハビリテーション病棟入院料に実績指数を設けるなど、アウトカム評価の強化を求めた。【齋藤栄子】
現行の回復期リハビリテーション病棟入院料の実績要件は、▽患者のアウトカムを評価している項目(リハビリテーション実績指数、在宅復帰率等)▽入院時点の患者の重症度(日常生活機能評価により定義する「重症者」の割合)-の2つの観点から、入院料1-6を設けている。
このうち、リハビリテーション実績指数は、入院料1は37以上、入院料3・5は30以上を基準としており、届け出ている病棟の実績に段階的な差があるなどの実態を踏まえて=資料1=、入院料1・3・5のリハビリテーション実績指数の基準値を見直す案を厚労省は示した。
入院料2・4・6は、それぞれ隣接する入院料1・3・5の施設要件は満たしているが実績要件をクリアできない場合に算定する点数であるため、実績要件を設定していない。
資料1 厚労省作成(以下同)
実績指数は、「各患者の運動項目のFIM得点の、退棟時と入棟時の差の総和」に対する「各患者の在棟日数に対する回復期リハビリテーション病棟入院料の算定上限日数の割合の総和」の割合で求めるもの。FIM(Functional Independence Measure)は、日常生活動作(ADL)の指標で、運動ADL13項目と認知ADL5項目で構成されている。項目ごとに点数が設定されており、運動項目は91-13点、認知項目は35-5点。
厚労省の見直し案は、実績指数要件が同じ30となっている入院料3・5のうち、3の要件をより高くして入院料1・3・5の要件を段階的にしようとするもの。
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