福祉医療機構はこのほど、消費税の引き上げに合わせた10月の介護報酬改定から算定可能になる「介護職員等特定処遇改善加算」(以下、特定処遇改善加算)についてのアンケート結果を公表した。社会福祉法人などが、賃金改善に見込む月間平均額は、「経験・技能のある介護職員」では1人当たり2万1700円だった。【大戸豊】
アンケートは、特定処遇改善加算の対象となる同機構の融資先(4872法人)に対し、2019年8月21日-9月6日に実施され、1016法人の回答があった(有効回答率20.9%)。回答法人のうち社会福祉法人は891法人(87.7%)だった。
法人が運営する介護サービス事業は、最多が通所介護で699法人、特別養護老人ホーム(30人以上)696法人、訪問介護(夜間対応型含む)348法人、認知症グループホーム307法人などと続いた(複数回答)。
19年10月から加算を算定するとしたのは777法人(76.5%)で、遅くとも20年度初めには算定するとした法人を含むと873法人(85.9%)に上る。しかし、73法人(7.2%)は算定予定がないとし、特に収益規模の小さな法人で割合が高かった。
特定処遇改善加算の算定に向けて難しいと感じる点を尋ねたところ、「介護職員内の配分方法の決定」55.5%、「その他の職員への配分の検討」52.3%、「加算の対象外の介護事業所職員との賃金バランス調整」50.3%(複数回答)と、どの職員にどれだけ配分するかに頭を悩ましているようだ。
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